制度融資には、実は公庫にはないメリットがあった!

制度融資とは、都道府県や各市区町村などの地方自治体が、既存の中小個人企業や開業予定者へのサポートを目的とした制度を利用して、融資をしてもらうことです。

でも、実際には自治体が直接的に融資を行うわけではありません。

どういうことかと言いますと、自治体と信用保証協会、それに金融機関の3者が協力をして中小企業の資金調達を行う制度です。

基本的には、商工会や商工会議所などが窓口となります。そして、自治体から預かる預託金を用いて金融機関(銀行・信用組合・信用金庫等)が融資を行います。

次に、信用保証協会という公的機関が保証することで成り立っています。

そのため、制度融資は信用保証協会付き融資とも呼ばれます。保証料はかかりますが、公的融資だけあって極めて低額で長期・低金利・固定で借りることができます。

日本政策金融公庫に並ぶ好条件の事業融資です。

自治体は、金融機関に一定の資金を預けて、中小企業への融資の条件を有利にするようにします。また、利子の面でも、中小企業の利子の負担を軽減します。

信用保証協会は、その名の通り融資の保証をします。

金融機関は、審査をして融資を実行します。

申込手順は、
(1)自治体に申込みをして審査が通ると、紹介状がもらえます。
(2)この紹介状を持って、指定の金融機関に出向いて、融資の申し込みをします。
(3)金融機関経由で信用保証協会のほうに、保証の申込みがされます。
(4)その後、信用保証協会の担当者と面接を行います。
(5)保証が決定された場合は、金融機関の審査を通り融資が実行されます。

自治体によって制度が異なるのが特徴です。都道府県単位の制度融資もあれば、市区町村を単位とする制度融資もあります。

いずれにしても、信用保証協会の保証があってはじめて実行される制度です。

金利は自治体の利子補給を受ける場合には、かなり低くなります。

しかし、3つの機関が審査するため、融資実行までに90日程度かかることがあるのはデメリットと言えます。

融資業務に関しては、銀行等の金融機関が行いますが、融資基準への適合や代表者に対する面接などは銀行のみならず、保証協会がメインで実施します。

信用保証協会が融資基準を満たしていると判断すれば、紹介状を受け取ることができるので、金融機関に紹介状を提出して審査を受けて、融資をしてもらうようになっています。

ここで、メリットとデメリットを書き出してみます。

メリット
・金利が低い。
・金利の一部を負担してくれる自治体もある。
・固定金利・長期返済が基本のため、ゆとりを持って返済できる。
・原則として連帯保証人不要。
・金融機関の審査はあるものの、積極的に融資を行うようになっているので、新規創業時に利用しやすい。

デメリット
・自治体と銀行の2段階で審査するため、融資をしてもらうまでに時間がかかる。
・自治体により異なるものの、書類集め・書類作成が大変。
・税金の滞納や、民間金融機関からの多額の借金があると融資がおりない。

各都道府県の公的機関である信用保証協会が保証に付くため、原則連帯保証人無しで借りることが出来ます。また、日本政策金融公庫など、政府系金融機関からの借入と同列である公的融資に当たりますので、金利も1%台からでとても低くなっています。

大阪府の制度融資の場合を、例として書いておきます。

「開業サポート資金」の金利が、平成28年度より引下げられています。

・融資限度額は、A型が1000万円。B型が1500万円(事業開始前又は事業開始後2ヶ月未満の場合、自己資金の範囲内)。

・利用資格は、開業前または開業後5年未満。

・返済期間は、7年以内。

・金利は、A型が1.40%。B型が1.20%。

・保証料は、1.00%。

・自己資金は、事業開始に必要な資金の5分の1。

さて、金融機関の支店長に対して、「新規で融資取引を開始する上で、一番何を重要視しますか?」と尋ねると、ほぼ全員が、「経営者です」と答えます。

それほど、金融機関にとって、経営者というのは、融資判断をする上で、とても重要なポイントとなります。特に中小企業に対する融資の場合は、この傾向は顕著になります。

経営者とは、ただ人に命令するだけではなく、チームの意識共有や目標達成までの道筋の提示を行い、与えられた任務を遂行するリーダーでもあります。

結果はもちろんのこと、同時にチーム全員のモチベーション維持や、個々の成長も考えなくてはなりません。

そんな金融機関が経営者に求める資質についてまとめてみました。

(1)経営理念や具体的なビジョンがあるか?
(2)社員に対して愛情を持っているか?
(3)成長意欲があるか?
(4)目的達成意欲は強いか?
(5)数字にこだわっているか?

(1)経営理念や具体的なビジョンがあるか?
経営理念があるのとないのとでは、業績や会社の成長力に大きな違いが出ます。経営理念を明文化しておくことで、経営判断に迷ったとき、自分たちが進むべき方向を明確にすることができます。

また、社員に経営理念が浸透していれば、個々の社員が主体的に考え行動するようになるので、一丸となった強い組織を作ることができます。

それだけでなく、多くの方が共感できる経営理念であれば、金融機関や取引先といった社外からの信頼を得ることもできます。

(2)社員に対して愛情を持っているか?
会社で一番大事なのは、「お金」でもなく、「技術やノウハウ」でもなく「人」。社員を大事にする会社は、働いている社員も、その能力を最大限発揮してくれるので、やはり、業績が良いです。

「人を育てる上でもっとも大切なものは「愛情」に尽きる」と、京セラの稲盛和夫氏もおっしゃっています。社員との結びつきが強い社長だからこそ、強い組織を作ることができると、金融機関は考えています。

(3)成長意欲があるか?
業績を伸ばしている経営者に共通するのは、「成長意欲が高い」こと。「今までと同じこと」を続けていても業績が伸びないことを金融機関は知っています。また、成長しようとしない経営者に、「成長しろ、挑戦しろ」と言われても社員はついて来ません。自己の成長のために研鑽を怠らないことも、優れた経営者の条件だと考えています。

(4)目的達成意欲は強いか?
金融機関も、「なんとなく経営を行っている」社長と、「成果にこだわっている社長」を比べた場合、「成果にこだわっている社長」のほうが頼りになると思っています。

計画を立て、その計画を達成することにこだわる姿勢を見せるからこそ、金融機関も全力で応援しようという気になります。

(5)数字に強いか?
金融機関の人間が一番嫌がるのは、数字に疎い経営者。売上や利益のことを尋ねても、「それは経理に任せているから」と言われると、「誰の会社なのだ」と思ってしまいます。

また、数字に疎ければ、どんぶり勘定の経営者と評価されるため、融資についても厳しくなりがちです。

数字が苦手であっても、「実績数値」や「目標数値」をメモして常に携帯しておけば、質問されたときには、それを見ながら答えることができます。そういった努力の部分も金融機関は見ているのです。

今までは、融資を受ける際には、社長は保証人に入る必要がありました。しかし、これからは、金融機関とのつきあいかたによっては、社長が保証人に入らなくてもよくなるケースが出てきます。

金融機関から融資をしてもらうのに重要なことは、何だと思いますか?

財務内容?担保?保証人?事業性?

確かに、それらも大事なのですが、それらはすべて「機能」的なものです。実は、「機能」よりも重要なことがあるのです。

それは「感情」です。

「感情」?

なぜ、「感情」なんか重要なんだ?

と思われるかもしれませんが、とても重要なのです。

どれだけすばらしい財務内容であったとしても、その社長のことを支店長が嫌っていれば、融資が実行されることはありません。

どれだけ素晴らしい業績の会社であったとしても、担当者に、その会社を支援したいというモチベーションが低ければ、通りやすい稟議書を書くことができません。

財務内容や業績ももちろん大事なのですが、まず、金融機関の人たちから「この会社を何とか応援したい!」と思わせることができなければ、どんなにすばらしい資料を作ったとしても、意味がないのです。

だからといって、金融機関の人間の機嫌をとれと言うわけではありません。

「応援したい」と思わせるために行うべきことは、「接触頻度」と「真面目さのアピール」なのです。

会う回数が増えれば増えるほど、その人間に対して好意を感じる度合いは高くなります。(ザイアンス効果)

担当者と会う回数を増やすのは、そんなに難しい話ではありません。用事を作って、会社に来てもらうよう依頼すればいいからです。

しかし、融資判断のキーマンとなる、貸付担当役席や支店長を、頻繁に呼びつけるわけにはいきません。

あなたの会社が、その支店にとってVIP扱いされるような会社であれば、それができるかもしれませんが、その支店にとっては、「その他大勢の会社」のうちの一つであるなら、そんなことはできません。

だから、会う回数を増やそうと思えば、こちらの方から、用事を作って訪問するというのが必要となってきます。

確かに、担当の人に来てもらうことができれば、効率的に仕事をこなすことはできます。しかし、金融機関との取引を考えた場合、効率的にコトを済ますというのは、避けるべきなのです。

手間がかかっても、こちらから支店に足を運ぶ。そして、そこで、貸付担当役席や支店長に挨拶をする。時々(月に1回程度)は、会社の業績報告を行う。

という風に通うだけで、「その他大勢の会社のうちの1社」から、「よく顔を拝見する社長の会社」という風に認識が変わります。

そうなると、応援してもらえる度合いが大きくなります。

まず、支店長や貸付担当役席に、顔と名前を覚えてもらうことを、第一段階の目標にしてください。

少しずつ認識度が上がることで、融資もどんどん借りやすくなります。

「金融仲介機能のベンチマーク」の中には、「外部専門家を活用して本業支援を行った取引先数」という指標があり、今、金融機関は外部専門家を紹介していかなくてはならないようになっています。

支店においては、何といっても、支店長が一番たくさん、案件を持っています。支店長と知り合い、仲良くなることで、そういった案件を優先的に紹介してもらえるようになります。

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